南イタリアへ行ったときのことです。
どこかの観光スポットで、ぼんやりと建物でも見上げていたときです。
にこにこと親しげに一人の人が近づいてきました。そして麻呂の横にやってきて、
麻呂の手に勝手になにやら巻き始めたではないですか。
最初はヒモだったのが、どんどん彼の手によって美しいミサンガができあがっていきます。ミサンガ?
そこではっと気づきました。これは、もしや勝手に売りつけられているのでは・・・?
「ノー、サンキュー」と言うと、ミサンガ職人は「アミーコ、アミーコ(友達、友達)」と言うのです。
こんな友達を作った覚えはありません。
もう一度「ノー、ノー」と繰り返すと、彼はミサンガを作り終えることなく立ち去っていきました。
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