ローマの散歩 2007

イタリアのクリスマス

イタリアはしばらく前まで、サンタはいませんでした。あれは北欧のお話ですからねぇ。

最近はイタリアにも来るらしいですけどね、サンタさん。

途中乗り継ぎをしたロンドンもそうでしたが、イタリアでも、新年を迎えても、まだクリスマスツリーが飾られています。
これは、東方の三賢人が救世主の誕生を祝いに、キリストのところへやってくるのが1月6日だからです。

これをエピファニアといいます。

エピファニア

サンタの代わりに、ちゃんとプレゼントを届けてくれる人は、イタリアにも来ます。

何が来るのかというと、年が明けた1月6日、ベファーナという魔女がやってきます。
彼女は、よい子には甘いお菓子を、悪い子だった子には「炭」を届けるのです。だから何か届いている、と思っても油断できません。開いてみると、それは「炭」かもしれないのです。子供にも厳しいイタリアです。

この魔法使いのおばあさんは、ちょっと前までサンタの来なかったイタリアでは、サンタさん並、あるいはそれ以上の人気です。みんなおばあさんのためのミルクやお菓子を用意して、おもてなしをします。

街の広場には屋台が出て、6日の夜だけは小さい子も外に連れ出してもらい、夜店を楽しめるのです。

ローマでは、ナボーナ広場がメインステージになっているようでした。ちょっと怪しい屋台が建ち並び、ベファーナ人形や、カラフルなお菓子、炭のお菓子、風船やおもちゃ、プレゼーピオセットが売られています。

今では、イタリアのお子様は、クリスマスとエピファニアと、二回もプレゼントがもらえるそうです。日本もサンタが定着する前は、お年玉だけだったんですよねぇ…。

私が買った炭のお菓子は、ちょっぴりスパイス入りの砂糖菓子でした。甘いけどちょっと複雑な香りです。

プレゼーピオ

プレゼーピオとは、クリスマス用の箱庭みたいなモノです。
古くて小汚い感じの馬小屋に、イエス様一家が居て、3賢者が訪ねてくる…というお話を忠実に立体にした模型です。
12月初め頃からセットされ、手間暇かけるところでは、最初は馬小屋に家畜だけ、12月24日にマリア様夫妻がやってきて、12月25日になると赤ちゃん(イエス様)が登場し、1月6日にかけて、3賢者が登場します。ストーリー性のある模型です。

●サンピエトロ寺院内

●サンピエトロ広場

イタリアの家庭にどれだけ普及しているのかは知りませんが、南イタリアに行ったときは、海岸の田舎町では、ほぼ全家庭に一個ずつぐらい、庭に飾ってライトアップしていました。

ローマでは、ナヴォーナ広場、スペイン広場、それにバチカンのサンピエトロ寺院内と広場にそれぞれありました。以前はテルミニ駅にもあったのですが、美しく改装されたテルミニには、もうありませんでした。

●スペイン広場

●ナヴォーナ広場(ガラス板があって撮影が難しく…)

新年の迎え方

イタリアの新年の迎え方は、街に出て、酒を飲みながらワイワイ騒ぎ、花火を打ちっぱなして、誰彼かまわずハグする…という欧米人らしい迎え方です。

私たちは小さい子連れなので、街には出ませんでしたが、窓から打ち上がる花火は鑑賞しました。ホテルの前では、若い子たちが、三角帽子を被ってクラッカーや爆竹みたいな花火で大騒ぎしていました。(でも、ホテルから注意は受けていません)
朝日が昇る頃には、みんな家に帰って、ぐーすか眠ります(たぶん)。
元日の朝は静かで、昨日の名残のワイン瓶(しかも割れている)がやたらと道に転がって、小さい子を歩かせるのは危険なほどでした。